猫は叱っても理解しない、正しいしつけの考え方
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猫は叱られても反省しません。これは性格の問題ではなく、猫という動物の仕組みそのものに理由があるようです。
なぜ叱っても効果がないのか
猫は、自分の行動を本能のままに行っているだけで、それが「悪いこと」だとは思っていません。爪とぎも、噛みつきも、カウンターに乗ることも、猫にとっては自然な行動です。そのため、叱られても「なぜ怒られているのか」を人間と同じようには理解できません。
さらにやっかいなのは、叱ること自体が逆効果になりやすいという点です。大きな声を出したり、抱きかかえて言い聞かせたりすると、猫はそれを「構ってもらえた」と受け取ってしまうことがあります。噛まれたときに「痛い」と大きな反応をすると、遊んでもらえたと勘違いして、かえって噛む行動が強まってしまうケースもあるそうです。
正しくないしつけの仕方
効果がないどころか、猫との信頼関係を壊してしまうNGなしつけ方もあります。
大声で怒鳴る・叩く
体罰は絶対にやってはいけません。猫は叩かれた理由を理解できないまま、恐怖心だけが残ります。その結果、飼い主への不信感や攻撃性が強まることもあります。しつけのつもりが、関係そのものを壊してしまっては本末転倒です。
時間が経ってから叱る
問題行動から時間が経ってしまうと、猫はもう何のことで叱られているのか理解できません。「さっきトイレ以外でしたことを今叱る」というのは人間の感覚で、猫にはまったく伝わりません。叱るなら、その行動をしている瞬間しか意味がありません。
叱るときに名前を呼ぶ
叱っている最中に名前を呼んでしまうと、「名前」と「嫌なこと」がセットで記憶されてしまいます。その結果、名前を呼ばれるだけで逃げるようになってしまうことがあります。名前はできるだけポジティブな場面だけで使うようにした方が安全です。
押さえつける・閉じ込める
体を無理に押さえつけたり、狭い場所に閉じ込めたりするのも避けるべきです。猫はなぜそうされているのか理解できず、ただ「嫌なことをされた」という記憶だけが残ります。
正しいしつけの考え方
犬のように、飼い主がリーダーとして指示に従わせる、という発想は猫には通用しません。猫のしつけは「お互いが快適に暮らすためのルールを作る」というイメージに近いです。
困った行動には反応しない
大げさに反応せず、そっとその場を離れるのが基本です。声を荒げたり、慌てて駆け寄ったりすると、それ自体が猫にとっては「注目してもらえた」というご褒美になってしまいます。反応しない、つまり無視すること自体が、猫にとっては効果的なフィードバックになります。地味な対応ですが、根気強く続けることが何より大切です。
環境を整える
叱ってやめさせようとするより、そもそも困った行動が起きにくい環境を先に作っておく方が効果的です。爪とぎをしてほしい場所に爪とぎ器を置く、届いてほしくない場所には物を置かないなど、本能を満たせる代替手段や物理的な対策を用意しておきます。具体的にうちでやっていることは後述します。
良い行動をご褒美でほめる
好ましい行動をしたタイミングで、おやつや声かけをします。ポイントは「行動した直後」に与えることです。時間が空いてしまうと、猫は何に対してご褒美をもらえたのか結びつけられません。悪い行動を無視しつつ、良い行動はすかさずほめる、というメリハリが大事です。
一貫性を持たせる
同じ行動に対して、あるときは叱ってあるときは見逃す、というブレがあると、猫は何が良くて何がダメなのか学習できません。家族で暮らしている場合は特に、家族内でルールを揃えておく必要があります。誰か一人だけが甘やかしていると、他の人がどれだけ一貫した対応をしても効果が薄れてしまいます。
噛みつきについては、噛まれた瞬間に低い声で短く「痛い」と言い、そのまま遊びを中断してその場を離れる、という対応が効果的とされています。これを繰り返すことで、「強く噛むと遊びが終わる」ということを学習していきます。
うちでは子猫の噛み癖を直すときに、噛まれた瞬間に指を口の奥へ少し入れて、猫にとって嫌な思いをさせる方法を使っていました。これで噛まなくなった経験があります。ただし、こうした学習が効くのは子猫のうちだけです。成猫になってからの本能的な行動を、同じようにしつけでどうにかしようとするのは無理があります。
しつけには年齢という限界がある
子猫の時期は、まだ行動パターンが固まっていないため、いろいろなことを学習させやすい時期です。ですが成猫になると、狩猟本能や縄張り意識といった本能的な行動は、ほぼ完成されたものとして根付いています。そこから無理に矯正しようとしても、猫にとってはただのストレスになるだけで、うまくいかないことがほとんどです。
「今のうちに直しておきたい」と思うなら、子猫のうちに取り組むのが一番効果的だと感じています。
「環境を整える」を、うちでは具体的にこうしている
猫の習性を理解した上で、そもそも困った行動ができないように環境側で配慮しておくのが一番効果的だと感じています。うちで実際にやっていることを挙げてみます。
- カウンターキッチン: 猫は脂が大好きです。炒め物をした後のフライパンやコンロ周りをそのままにしておくのは、大好物を差し出しているようなものです。フライパンも普通に舐めにきます。乗られること自体を叱るのではなく、常に清潔にしておき、多少舐められても問題ない状態を保つようにしています
- 排水溝の生ゴミ: シンクにフタをするレベルでガードしています。排水溝を舐めてお腹を壊したら大変なので、漁られないよう常にきれいにしておくことを徹底しています
- 柱で爪を研ぐしぐさ: 見せた瞬間にその場所へ爪とぎを置き、ガードします。爪が引っかからないように加工された保護シートも市販されているので、そうしたグッズも活用しています
「やめさせる」のではなく「先回りして対策する」という発想に変えてから、無駄にイライラすることがかなり減りました。
まとめ
猫を叱ることは、反省を促すどころか、逆に「構ってもらえた」というポジティブな体験として学習させてしまうことすらあります。叱るのではなく、環境を整えて困った行動そのものが起きにくい状況を作ることが、結果的に一番の近道なのだと思います。
※本記事は個人の記録であり、猫の行動には個体差があります。