猫の慢性腎不全、治療費のリアル。半年で150万円を超えた話

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以前に飼っていた、今は天国にいる猫の話です。猫を飼っていると、いつかは病気や老いと向き合う日が来ます。うちの猫が慢性腎不全と診断されてから、お別れするまでにかかった治療費を、当時の記録をもとにまとめておきます。金額を煽るつもりはありませんが、「実際どれくらいかかるのか」を知りたい方の参考になればと思います。

猫の慢性腎不全、実はとても身近な病気

慢性腎不全は、猫にとって決して珍しい病気ではありません。10歳以上の猫の約3分の1が何らかの腎臓の問題を抱えているとされ、15歳以上になると約80%の猫が慢性腎臓病に罹患していたという報告もあります(出典:オダガワ動物病院、アイシア/Marino CL, J Feline Med Surg 2014)。

高齢の猫を飼っている方にとっては、決して他人事ではない病気だと思います。

症状に気づいたきっかけ

もともと定期検査で腎臓の数値がやや悪いことは分かっていました。ただ、そこから急に悪化したのです。

最初の異変は、動かなくなったことでした。歩き方もよろよろと不安定になり、ご飯もほとんど食べなくなりました。様子がおかしいと感じてかかりつけの動物病院を受診したところ、血液検査で腎臓の数値が大きく悪化していることがわかりました。本当に突然でした。診断は慢性腎不全でした。

猫は自分が弱っていることを隠す動物だと、このとき初めて実感しました。よほど限界まで来ないと、外から見て「病気なのかどうか」が分かりにくいのです。定期検査で数値が悪いと分かっていたにもかかわらず、もっと早く気づいてあげられたのではないかと、今でも思うことがあります。

動物病院はどう選んだか

運がよかったと思うのは、近所によくしてくれる動物病院があったことです。決め手になったのは、Googleマップの口コミでした。

口コミがすべてだとは思っていません。ただ、何も調べずに選ぶよりは、一度目を通しておいた方がいいと思います。特に長期間通うことになるかもしれない病気では、病院との相性は治療の続けやすさに直結します。

通院の頻度と治療内容

慢性腎不全は完治する病気ではなく、進行を遅らせながら付き合っていく病気です。うちの場合は、皮下点滴と血液検査を中心に、週2回のペースで通院していました。

  • 点滴(皮下輸液)
  • 血液検査(腎数値の経過観察)
  • 処方食への切り替え
  • 症状に応じた投薬

週2回のペースで通院するうちに実感したのが、キャリーバッグ選びの大切さです。体調の悪い猫を運ぶなら、ソフトタイプよりハードタイプのキャリーバッグをおすすめします。ぐったりした状態だと自分で姿勢を保てないため、型崩れしないハードタイプの方が体への負担が少なく、病院での取り出しもスムーズでした。

もう一つ気をつけていたのが、キャリーバッグをブランケットで覆うことです。動物病院には犬も来院します。ただでさえ体調が悪いところに、犬の姿や気配まで見えてしまうと、猫のストレスはさらに大きくなります。外が見えないようにしてあげるだけで、待合室でも比較的落ち着いていられました。

かかった費用

通院1回あたりの費用は、点滴・検査・お薬を合わせておよそ3万円前後でした。

項目 金額の目安
1回の通院(点滴+検査+お薬) 約30,000円
通院頻度 週2回
月あたりの通院回数 約8回
月あたりの費用 約240,000円
通院期間 約6か月
総額 約150万円

これに加えて、処方食の費用は別途かかっています。数値はあくまでうちのケースであり、症状の重さや通院頻度、病院によって大きく変わる点はご了承ください。

予防のためにできること

慢性腎不全は完全に防げる病気ではありませんが、進行を遅らせたり、早期発見につなげたりするためにできることはあります。獣医師監修の情報をもとに、日常でできる対策をまとめました。

  • 水分摂取を増やす工夫: 水飲み場を複数の場所に用意する、器の素材や形を変えてみる、流水タイプの給水器を試すなど。猫は軟水(水道水)を好む傾向があるといわれています。
  • 定期的な健康診断: 血液検査・尿検査で早期発見を目指す。うちの場合も定期検査で数値の異常には気づけていましたが、そこから急激に悪化しました。数値が出ている時点で早めに対応を相談しておくことが大切だと感じます。
  • ストレスの少ない環境づくり: 隠れ場所やキャットタワーなど高い場所を用意する、毎日少しでも遊ぶ時間をつくる。
  • トイレ環境を清潔に保つ: 複数のトイレを用意し、こまめに掃除する。

どれも特別なことではなく、日々の暮らしの延長でできることばかりです。「うちの子は大丈夫」と思わず、早めのケアを心がけたいところです。

振り返って思うこと

治療そのものを後悔したことは一度もありません。ただ、これだけの費用が短期間で発生するとは、診断を受けるまで想像していませんでした。

ペット保険に入っていれば負担は大きく変わっていたはずです。慢性腎不全のように長期の通院が必要になる病気は、猫の医療費の中でも特に負担が大きくなりやすい部類だと感じます。ペット保険を検討する際は、以下のような点を確認しておくと安心です。

  • 通院・入院・手術それぞれの補償割合と上限額
  • 持病・既往症になった場合、更新後も補償が続くか
  • 免責金額(自己負担額)の有無

まだ若く元気なうちに、一度保険内容を見直しておくことをおすすめします。

もう一つ、率直に思うのは「貯金は必要」ということです。保険に入っていても、免責金額や補償対象外の治療、審査・更新のタイミングなどで、結局は自己資金でまかなう場面が出てきます。これは猫に限った話ではなく、動物を家族に迎えるなら共通して言えることだと思います。保険で備えつつ、いざというときのための貯えも別に持っておく。両方があって、はじめて安心できる体制になるのだと、身をもって感じました。


※本記事は個人の飼育・通院記録であり、獣医療行為や診断を代替するものではありません。ペットの体調に異変を感じた場合は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。